RC造2階建てのデイサービス施設です。建て主方の経験豊富なケアマネージャー担当者と綿密に打合せて設計しました。1階は交流スペース(ホール、休養室、浴室、事務室、キッチン)、2階はリハビリスペース(リハビリ室、休養室、テラス)という構成です。
利用される方同士が、この施設を通して密なコミュニケーションがとれるサロンとして活用することを念頭にし、デイサービス施設のプライバシー・セキュリティを保ちながらも、街中のカフェのように気軽に利用しやすい外部に開かれた印象の施設となるよう設計しました。
円筒形ホール、円筒形の浴室、円形の休養室造作天井と、3つの円が連続する構成とし、室内空間にメリハリとリズムをもたらし豊かな空間で過ごしてもらうことを考え、利用者の身体的制限に配慮した設計にすることは当然のことながら、施設としてのホスピタリティを有する設計としました。
吹抜けになった円筒形ホールは日常的には談話室としての使用を想定し、屋外で過ごすことが心地よい時期にはテラスが使用できるようにしています。またホールでは季節のイベントを開催することを想定し、収容人数が増えても2階からも催し物を鑑賞できようにしています。浴室は独力で入浴できる利用者と機械浴槽の利用者の双方に対応しています。出入り可能な風呂庭に面し、自宅での入浴では味わえない開放感を感じるようにしています。
2階のリハビリ室の床の模様は、歩行トレーニング時の歩行距離のガイドになっています。2階のテラスやバルコニーは、利用者が不意に出てしまっても転落事故が絶対に起きないよう腰壁の高さに配慮しています。
照明は各スペースで異なる種類の灯具を用いて、各空間の印象が異なるように感じさせる演出としています。
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