鉄骨造増築（別棟）の認定こども園です。１、２歳児と３歳児の２クラスの保育室、そして約150食提供の給食室を有する施設です。

利用者や近隣の方の印象に残り愛着を持ってもらえる園舎を目指しました。保育スペース、共用スペース、事務・給食室スペースそれぞれに切妻屋根をかけ横並びに接続したデザインとしています。３つの屋根と各ゾーンが合致しています。
２つのクラスの保育スペースは一室内の住み分けとし、クラス間は家具やベビーゲートで区画することにしています。クラス間に閉じた壁をつくらないことで、保育士同士のコミュニケーションがとりやすく、保育士間の負担を均等にすることにつながり、幼児にとってはより細かいケアを受けやすくなります。
幼児トイレは一般的には隅っこに計画されることが多いですが、あえて保育室中央に配置しました。幼児期における不意な排泄や嘔吐に対し保育士が対応し易く、幼児期の子供たちのトイレトレーニングもスムーズにできる利点があります。トイレと保育室が１室内にあるので、臭気がまわらないよう換気設備の配慮をしています。トイレの囲いは、出入り口をすぼめ、手洗いを必ず使用するように配置して衛生に配慮しています。また囲いの高さは、保育士の女性を想定し、囲いの向こう側とコミュニケーションができる、囲いに近づくと中を覗き込める、少し離れるとトイレを感じさせない高さを検証しながら決定しました。

玄関ホールや保育室内の活動スペースは、傾斜天井とし天井高さに変化を持たせ、決して大きくはないですが広々とした印象を持たせるようにしています。逆に保育室内の昼寝スペースは、天井高をグッと下げ落ち着いて就寝できるように配慮しています。

ドア指挟み防止や内装や家具の端部の角がたっているところがないように、安全なディティールを徹底しました。